私が税理士業界に携わるようになって、早15年ほど経ちます。
相続税の土地の評価はそのときからやっていましたが、今はITが進化し、本当に便利になったなと思うことがあります。
先日も相続案件で土地評価を行いましたが、当時と比べて便利になったと感じたことを3つ挙げていました。
(もしかしたら私が気付いていなかっただけで、15年前にも既に存在していたサービスかもしれません。細かくは調べていませんので、悪しからず。)
CADから土地評価明細への連動
相続税の土地評価で、CAD機能を持つソフトは必須です。
CADで土地の形状を読み取り、地積の求積や、間口距離・奥行距離などの測定を行います。
それぞれ求めた数値は、実際の土地の評価で使用します。
CADで作成された資料には、一般的には下記が記載されます。
これらをその資料で把握して、土地の評価明細書に反映していきます。
昔はCADで読み込んだ情報を、評価明細書へ一つ一つ転記していました。
今思えば結構な手間です。
現在は税務ソフトが発展していて、そのソフト内にCAD機能が組み込まれています。
(私の使用している税務ソフトはオプション契約ですが。)
CADで測量図などの図面を読み込み、一定の操作や設定を行います。
そして最後に完了ボタンを押すだけで、土地評価明細に数値が連動して、自動的に評価明細作成が進んでいきます。
この機能を使えば、転記ミスなども減りますし、何より土地評価そのものがスムーズに進みます。
側方路線がある場合は、間口按分の計算まで自動的に行ってくれる優れものです。
その土地の側方路線に接道する部分(A)が、想定整形地の間口距離(B)より狭い場合は、側方路線影響加算率に、さらに調整割合(A/B)を乗ずることができます。
割合としては、さほど大きくはないですが、路線価が高い地域では土地の評価が数千万単位で変わる可能性があります。
税理士ですら失念するケースが多いので要注意。(失念されるケースの方が多いらしい。)
特殊な土地の評価の場合は、まだ機能が行き届いていないときもあるのですが、ひと昔前に比べれば神ソフトです。
ゼンリン住宅地図プリントサービス
相続税の土地の評価をする際、どのように評価したかを分かりやすく説明する方が好ましいため、多くの資料を添付します。
土地に関する評価明細書には、一般的に下記の資料を添付します。
・路線価図…評価対象地の正面や側方等に面する路線価を示した図
・住宅地図…評価対象地がどの地域に位置しているか、住所などが分かる図
・公図…評価対象地の位置や形状を示した図
・地積測量図…道路や隣地との境界を調査し、その土地の形状を具体的に示した図
・写真…評価対象地がどんな地域にあり、どのような形状であるかを示す写真
・全部事項証明書…名義が誰のものかを証明する登記簿謄本
このうち住宅地図は、今はコンビニで取得することができます。
セブンイレブンで購入する場合、プリンターのところへ行き、
「プリント」→「コンテンツプリント」→「住宅地図」と選択していくと、
地域ごとの住宅地図の印刷ができます。
1通400円かかりますが、急ぎで住宅地図が欲しいケースはとても便利です。
Googleマップでの距離測定
相続税の土地評価を行う際には、実際に現地へ行って評価対象地の現況を確かめる必要があります。
仮に相続税試算をご依頼頂く場合などの前段階では、どのような土地であるかGoogleマップの
ストリートビューや航空写真などで、大体の把握はすることができます。
(撮影年月日は確認する必要があります。)
Googleマップで何よりありがたい機能は、簡易な距離測定ができることです。
図面が公図しかない場合で、かつ公図が縄伸びなどしているケースも一定程度あります。
ゆえに現地へ行く前に状況を把握できるこの機能は、とても重宝します。
実際に評価し申告する場合には、さすがにGoogleマップで検索した距離などを使用するのは難しいと思いますが、便利な機能であることは間違いありません。
・地積が何㎡なのか
・土地の間口や奥行は何mなのか
・想定整形地はどのように取るのか
・想定整形地の求積された㎡数